文責:42機・小森廣樹
参加者5名(敬称略):
海老原 和(24專通)、矢野睦男(32原)、兼子八郎(38 電)、青野 潔(41化)、小森廣樹(42機)
海老原氏は来春米寿を迎えるとの事で、これまでの山遊会行事参加者の最高齢記録となった。
行 程:
狛江駅―泉龍寺・伊豆美神社―多摩川岸・五本松―宿河原堰―登戸―広福寺―生田緑地・枡形山展望台―(日本民家園)―(岡本太郎美術館)―忘年会会場
この日は快晴。小田急線狛江駅前に参加者5名が集合。今回は海老原氏(24專通)の参 加があり、大先輩のお元気な様子に一同大歓迎。コースの計画者である青野氏を先導に 10時出発。
まずは泉龍寺だが、狛江駅の隣接地で緑地保護地が連なっている。古くからある寺で特 に、入口正面の立派な屋根を備えた二階建ての鐘楼が珍しかった。続いて江戸時代後期か らある古民家の見学。我々の幼少時代の記憶に通ずる風情があった。メンバーを代表して 矢野氏が来訪の記帳をした。ここから伊豆美神社に参拝したのち、細い道などを通り目指 す第一目標の多摩川河畔の左岸へ出る。
土手から望む多摩川は目が覚めるくらいに明るく、視界が大きく開いている。河口から
25kmのこの地点、河川敷の幅はかなり広い。対岸には登戸の街が迫っており、その後
方には真っ白な富士山が丹沢山系の上に堂々と構えている。この土手道をそぞろ歩きに下
流側へ下る。小田急線のガード下を通り、このコースのポイントである二ヶ領宿河原堰の
脇に出る。昭和46年9月、台風19号の大雨で増水した川が、新たに設けたこの堰堤に
により流れが変わり、造成した土地を激流が侵食し、そこに建った新しい家を次々に押し
流した。テレビに映し出されたそのすさまじい様子を私もはっきり記憶に残っている。土
手の中腹の広場にその記念碑が建ててあった。
この広場で昼食とした。眺める対岸は神奈川県であり、このあとのコースである生田緑
地の丘が街並みの向こうに見えている。この広場の下流側に白い岩盤が見えており、これ
は百万年もの前に隆起したもので、その名残としてこの岩盤から今でも海の貝殻が見付か
ることもあるそうだ。
少し上流へ戻り12時50分多摩水道橋を渡る。いつも矢野氏が途中での写真を撮って くれているのだが、橋の上で集合写真をとる。登戸駅前へ出て、ここで海老原氏と別れる (海老原氏は中央林間まで小田急一本で帰ることができる)。引き続き向ヶ丘遊園駅前を通 り第二の目標地の生田緑地へ向かう。ここのホームページによれば首都圏を代表する緑地 で約180ヘクタールもの広さの自然環境を有した場所で、中には岡本太郎美術館、日本 民家園、伝統工芸館、かわさき宙と緑の科学館、藤子・不二雄ミュージアム等がある総合 公園だ。しかしこの日はハイキングを主目的としたので全てを見学したわけではない。
ふもとの広福寺を通り散策コースに入る。周辺は自然の林に覆われ、訪問者も少なく静かだ。途中、ホタルの生息地を通る。また、道に沿っていろいろな木の名前を当てるクイズの標札が何十とあり、我々はせいぜい三分の一程度しか当てられなかった。そして14時、この上にある枡形山広場に出た。ここは緑地の最高地点で、標高84mだそうだ。広場には子供たちが備えられた遊具で遊んでいた。中央にある高さ15mのエレベータ付き展望台に上がった。 この展望台からの眺めは実にすばらしい。くっきりと晴れた空、遮る ものが無い360度視界が開けている。東西南北、遠方にある関東の山々が見られた。こ の中には過去に山遊会で登った山もいくつか見えている。もっとも遠くの山はなんと男体 山であった。そばにいた男性が教えてくれたもので、目を凝らすと影のように見えていた。 遠方ばかりでなく周辺に広がる街々もそこで目立つ、例えば東京タワーやランドマークタ ワーのような大きな建造物によりその場所を特定できたことは興味深かった。 (私は鶴見に住んでいるのでその方向をよく見ると総持寺の屋根が見えており、思わずため息をついた)充分展望を楽しんだあと、山を奥の方へ下った。途中に古民家園があり、合掌造りの大き な家が二軒建っていた。かなり以前に岐阜県の白川村からここに移設したそうだ。
ここを通り過ぎ、広場を経て岡本太郎美術館に向かう。この日はあいにく休館日であっ たが、門が開いていたので外庭へ入ることができた。一番奥にはここのシンボルである「母 の塔」があるが、補修中で作業シートに覆われて、下の部分と頂部の一部しか見られなか った。有名な作品なので一部だけとはいえイメージが湧く。
ここから丘に上り、3時過ぎ、最後のポイントである川崎国際生田緑地ゴルフ場のクラ ブハウスに到着した。この日の先導役の青野氏はこれまで何度かここへ来ているとのこと。 クラブハウスには他の客はまだ入っていなかった。ここで忘年会を兼ねた歓談を行った。 今日は絶好の天候で、前半は海老原先輩も加わって、気持ち良いハイキングであった。
帰りは近くの専修大学バス停で解散した。青野氏を除いた3名はバスで向ヶ丘遊園駅に 向かった。
以上
多摩川の左岸に立てば川向かふ山並みつづき真白き富士も
多摩川の左岸に残る五本松ちゃんばら劇のロケ地なりとぞ
生田なる枡形山の展望台関八州の山々の見ゆ
筑波山雲取山に武甲山見えて登山のその時浮かぶ
詠み人:にゃんここと 兼子八郎