文責:42機・小森廣樹
参加者: | 7名(敬称略): |
矢野睦男(32学原)、兼子八郎(38 学電)、白石道彦(38学化)、田中栄太郎(40学化)、 青野 潔(41学化)、小森廣樹(42学機)、藤沼 隆(43学機) |
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行 程: | 下曽我駅―原梅林―別所梅林―中河原梅林―瑞雲寺―(昼食)―宗我神社、城前寺― 伝曽我祐信宝きょう印塔―六本松跡、一本松跡―五国峠碑、西山農道休憩所―光明寺(上ノ山農道入口)―国府津駅 |
10時10分国府津駅にメンバー7名が集合。この中で田中氏は久しぶり、藤沼氏は初 参加である。ここから御殿場線で1つ目の下曽我駅に降りたつ。ここ曽我の里は「曽我物 語」で有名な仇討ちをした曽我兄弟の生育の地として知られているところ。まず矢野氏に 駅前で集合写真を撮ってもらう。いつもそうなのだが、このあとも道中の節々で写真を撮 っていただいた。
10時40分、南の梅林に向かって出発。天候は晴、気温は4月並みに暖かい。ここは
関東有数の梅林で、歴史は古く、500年くらい前に植えられたのが始まりで、今では3
万5千本もの梅の木があるそうだ。
曽我梅林には別所梅林、原梅林、中河原梅林がある。まず原梅林から入りそのままこれ
に連なっている最も広い別所梅林に歩を進める。
中に入りそぞろ歩きに見渡せば、白い満開の花をつけ、何千本と思われる梅の木が、かすかに甘い香りをもって広がっている。この辺が曽我梅林の中心らしく、多くの人たちが観梅に来ていた。梅はいずれの木も大きく、堂々としており、なかには幹が直径1m位ある古木も見られた。売店の主人から樹齢350年くらいだと聞き、いささか驚いた。こんな大木がいくつもあるのだ。
ここから引き返して下曽我駅を通り「国府津・曽我丘陵ウオーキングコース」に入る。コースに沿って中河原梅林が続いている。やがて梅林の中にある瑞雲寺へ。ここは曽我兄弟が父の仇を討つため願文を納めて「十人力」を授けられたという「力不動尊」が安置されているという寺で、境内には立派な梅の木がたくさん植えられている。12時。梅の花を眺めながら昼食とする。藤沼さんが「十人力」に向うを張ったような大きなリュックの中から保冷された缶ビールを出して皆に配った。みんな目を細めてのどを潤す。
ここをあとにコースは大きくUターンする如く国府津方向へ向かう丘陵を登ってゆく。歩いてゆく道の右や左のいたるところに小さな梅林が点在している。それこそ名にし負う梅の里だと実感する。そしてまた、丘の斜面にはミカン畑が続いている。ここ国府津のミカン畑のイメージから有名な「みかんの花咲く丘」の歌が生まれたそうだ。歌われているとおり南方はるかに終始青々とした海が見えていた。
さらに丘を登って、旧曽我6ヶ村の総鎮守の宗我神社へ。境内に大きな欅があり、見上げるといくつかの枝に宿り木が生えていた。欅に宿り木があるのは珍しい。メンバーの何人かがカメラに収めた。
さらに登ってゆくのだが、先々はやはりミカン畑だ。丘の尾根に近いところまでミカン畑がある。ミカン(温州ミカン)生育の北限は小田原だと聞いていたが、その北限の地にかくも多くのミカン畑があることに驚く。そして、収穫したミカンを運ぶための農道が何本も走っていて、運搬のためか、どの道もコンクリートで固められている。我々はその道を歩いてきているのだが。
一方、道の分岐点には必ず道標がしっかりと立てられており、我々のような初めて歩く者にとっては大変わかりやすい。おかげで、一か所小さなミスをしたのを除けば、コースを通して迷うことが無かった。
そこから急坂を登って曽我山の峠の道の交叉する地点である六本松跡に着いた。ここは鎌倉時代には曽我氏ら豪族たちの居館と鎌倉を結び、その後も関東から西を結ぶ道の重要な地点となっており、芭蕉や蕪村もここに足跡を残している。立ててある説明板を読んで感慨もひとしおであった。
少し進んで見晴台へ。テラスに立って見れば相模湾、遥かに浮かぶ小さな初島、伊豆の山々、箱根連山が望めた。しかし、富士山には雲がかかっていてその姿を見られなかった。
見晴台を後にして最後の急坂を登り、コース中一番の高い地点、高山(276m)の頂上近くを過ぎてゆき、その先は下り坂になる。行き交う人はほとんどいない。五国峠碑、西山農道、上ノ山農道を通る。全てミカン農道だ。さながら我々は一団を組んでミカン畑を見廻っている農家のおじさんたちだ。
やがて農道が終わり、バスの通る道に出た。ここがいわばハイキングコースの終点で、気分の上でほっとする。時刻は16時近くになっていた。
振り返れば我々は道中の前半は梅の花に埋もれるようにしてたくさんの梅林を歩いてきた。しかし、後半は登り初めから通してミカン農道を歩いてきたことになる。景色のよいところがたくさんあったのだが、農道はすべてコンクリートで、山道(土の道)を歩くといったハイキングのイメージが希薄であり、この点でひとつ残念な気がした。
国府津駅から上り電車に乗り、藤沢で下車。ここで打上げを行った。
以上
梅の香をめでつつ歩む別所にて茶や蕗みそを振舞はれたり
案の定これは美味いと世辞を言ひ土産一缶買ひ需めたり
五枚葉に茎一本の水仙花曽我丘陵の路傍に咲けり
五枚葉の隣の株は三枚葉これも立派に花を付けをり
水仙の葉は四枚が相場なり三枚五枚に出会ふ倖せ
詠み人:にゃんここと 兼子八郎