第52回 山遊会行事
「紅葉と森林セラピー西沢渓谷ハイク」報告
2016年10月23日(日)

文責:42学機・小森廣樹

実施日:2016年10月23日(日)
参加者:7名(敬称略):
 小宅 仁(36学電)(リーダー)、矢野睦男(32学原)、青野 潔(41学化)、中島 穣(44学子)、林 昭彦(特別会員)、佐竹ふみ子(特別会員)、小森廣樹(42学機)
行 程:JR新宿駅発7:30特急あずさ3号→JR塩山駅→(大型タクシー)西沢渓谷入口→西沢山荘→三重の滝→人面洞→竜神の滝→恋糸の滝→貞泉の滝→母胎の淵→七ツ釜五段の滝→不動滝→旧森林軌道→大久保沢→ネトリ大橋→西沢渓谷入口

 塩山駅9時にメンバー7名が集合。天候は晴れ。ここから手配してあった甲州タクシーの大型タクシーに乗る。途中、国道140号線に入るあたりから笛吹川沿いに走るとすぐに急立った山々が迫ってくる。運転士さんが節々で景色の説明をしてくれた。所要30分で西沢渓谷入口に着く。ここから歩くのであるが、小宅リーダーでストレッチ体操をしてから10時過ぎ出発、ハイキングコースに入る。この地点で標高1,100mあり、西沢渓谷終点まで約300mの標高差を登ることになる。
 道はまだなだらかで、笛吹川を左下に見ながら落ち葉を踏みしめて気分爽快。甲武信ヶ岳登山道入口を通り過ぎる。道の左側には長く続く木々があり、そのシルエットを通して下方に白く、明るい川床が輝いて見える。さながら菱田春草の日本画を見るようだ。
 少し行くと無人となった西沢山荘、その脇の、笛吹川の渓谷美を全国に知り渡らせたという田部重治の文学碑を通り過ぎる。

二俣吊り橋の写真
<二俣吊り橋>

続いて二俣吊り橋を渡る。橋の周りの紅葉は黄色が勝っていて明るく見事だ。この橋から笛吹川の上流と下流を見渡せる。この笛吹川は下って西から流れてくる釜無川と市川大門で合流し、日本三急流の一つ富士川となるのだが、この地点のあたりから先は渓谷になっている。そしてこれから釜と呼ばれるたくさんの滝に出会うことになる。

 道は細くなり、そして険しくなってきて、登山者は一列になって登る。この渓谷沿いの道はほぼ通して左岸にあり、道の左側が崖で、険しい箇所には鎖が張られ、これにつかまって滑らないようにして登ってゆく。最初の滝が三重の滝だ。流れる水は豊富で、落差は数メートルだが滝つぼがその深さを表して濃い青色をしている。長い年月をかけ壺が掘られたのだろう。

休憩の写真
<小休止>

この先々でたくさんの滝に出会うのだが、滝と言っても落差は高くはないが、いずれも青い滝つぼが掘られていた。
 次の地点の人面岩の近くで小休止。 渓谷の道は川から高く上がっているが、所どころに川のすぐわきを通る地点があり、そんな場所で川原に下りて三々五々、休憩したり食事をとったりしている登山者もいた。

竜神の滝の写真
<竜神の滝>

 そしてこれらのグループの多くは若い女性、いわゆる山ガール達だ(「山ガール」は先日亡くなった女性の大登山家・田部井淳子さんが6年前に監修した女性のための登山入門書の題名にこの言葉を使い、これが広まって今では定着している)。登山者の半数以上がこれら山ガールで、中間層がわずか、あとは我々のような高齢者だ。計らずも現在の世相をそっくり映し出しているようだ。
 つづいて竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝、母胎淵など、滝が一段のもの、二段のものとあり、それぞれの形が少しずつ異なっておもしろい。
 道中、足元と左側下方の川ばかりに目を向けているのだが、右側の、開けた急斜面を仰げば崖上に濃い紅葉も目に入ってくる。これが渓谷ならではの景色なのだろう。

七ツ釜五段の滝の写真 
<七ツ釜五段の滝>

 やがて滝群の中のハイライトである七ツ釜五段の滝が現れる。上段から下段までの落差は30mある滝で、大きな水音を出して流れており、絶景だ。日本の滝百選の一つだそうだ。みな写真撮影に忙しい。
 コース最後の滝、不動滝を見て、階段もある急坂で険しい道を登るが、途中、10歳くらいの女の子が母親と共にスイスイと我々を抜いていった。

渓谷終点前の急坂を登っているの写真 
<渓谷終点を急坂>

 そしてコース終点となるテラスのある休憩場所に到着した。12時20分、このテラスに腰を下ろして昼食をとる。そして程なく佐竹さんから皆に缶ビールが配られた。更に中島さんが温かいコーヒーを入れてくれた。山上で飲むビールもコーヒーも実においしい。登りの道中この二人のリュックが大きくふくらんでいたのはこのためだったのか。
 13時、下山開始。コースはトロッコ道であり、そこを通って下る。この道は旧森林軌道で材木を塩山まで降ろすのに使われたそうで、軌道の所どころレールが残っている。そして登ってきた道とは逆に、歩く左側が崖になっており、遠くに七ツ釜の滝も見えた。 近くに見える山々と森が醸すセラピーの中で、はっきりと体感するわけではないが、皆の足取りが軽くなっている。そんな下りの途中には昔、馬もろともに崖下に落ちて命を落としたという材木運びの人の碑が建っていた。

復路展望台での集合写真
<復路展望台での集合写真>

 この下山の途中で名手、林さんにより集合写真をとる。道はなだらかで番号をふったたくさんの橋を渡って行き、やがて道幅の広い林道へ出る。そこを通って、14時20分、無事に登山口に到着した。
 ここで小休止をしてから往きに乗った同じ大型タクシーで、運転士さんの案内で塩山駅近くの店に行き、打上げを行った。


  全行程スライド写真(PhotoPeach)はここをクリック

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