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日本百名山全座完登の記

文責:田崎 耕八(昭32学電)
9月5日(土)午前9時48分水晶岳(2986m)に登頂し、日本百名山全座完登を果しました。それより2時間半ほど前に登頂した鷲羽岳(2924m)が99座目でした。
今回の山行きはツアーに参加しての裏銀座縦走(夜行・3泊4日)です。
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◎ 9月2日(水)晴 23:00新宿西口を出発
 参加者22名と添乗員2名を乗せたバスは翌朝05:30に新穂高に到着しました。
◎ 9月3日(木)曇 05:30新穂高に到着、06:00に登山開始、歩程約5時間

ダイヤモンド槍ヶ岳の写真
写真1 ダイヤモンド槍ヶ岳

 新穂高を06:00に出発し、右側山裾の岩の隙間から吹き出す冷風(お助け風)を楽しみな がら左俣林道を1時間程歩き、わさび平小屋で小休止しました。
小屋のすこし手前に笠新道登山口がありましたが、笠ヶ岳には20日前の8月13日に 登頂、これが97座目です。その翌朝山頂から眺めたダイヤモンド槍ヶ岳が印象的でした。 【写真1】

鏡池に映る槍ヶ岳の写真
写真2 鏡池に映る槍ヶ岳 08.7.26

 わさび平小屋から20分程歩くと左俣林道出会に着き、林道を左に分けた本格的登山道 の小池新道を登り、秩父沢出会、シシウドガ原で休憩、11:30に1泊目の鏡平山荘に到着 しました。期待の鏡池に映る槍ヶ岳・穂高連峰は、上空に青空が覗いているのだが山には ガスがかかり眺めることができませんでした。【写真2】
◎ 9月4日(金)晴 05:00朝食、06:10出発、歩程約5時間30分

ウラジロタデと槍ヶ岳の写真
写真3 ウラジロタデと槍ヶ岳

 06:55弓折乗越でウラジロタデと槍ヶ岳などの写真を撮り、【写真3】 08:30双六小屋に到着し 大休止をとりました。小屋から右に行くコースは西釜尾根を経て槍ヶ岳、左に行くコースは双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳へと続く裏銀座縦走コースです。
 09:50双六岳(2860m)、11:45三俣蓮華岳(2841m)、山頂で昼食。記念写 真を撮っているときには空はどんよりと曇りはじめましたが雨の心配はありませんでした。
 三俣蓮華から左に分けたコースは黒部五郎岳(2840m)、薬師岳(2926m)へと 続きますが、この2座を昨年の8月23日、24日に悪天候の中を難儀して黙々と登った ことが思い出されました。
 右に分けたコースを30分程下ると2泊目の三俣山荘があります。到着するのが少し早 すぎるのでお花畑で道草を食って13:05三俣山荘に到着しました。

夕陽に映える槍ヶ岳の写真
写真4 夕陽に映える槍ヶ岳

 実は昨年の7月27日にも裏銀座縦走でこの三俣山荘に泊ったのですが、夜中からの雷 雨が翌朝になっても降り止まないので鷲羽岳への尾根歩きを避け、黒部源流の沢を遡って 岩苔乗越へ迂回しようとして水源地点まで登ったのですが、雷が益々激しくなってきたの で縦走を断念して引き返したのでした。今回はリベンジの裏銀座縦走なのです。

目指す鷲羽岳と水晶岳の写真
写真5 目指す鷲羽岳と水晶岳

 夕食を済ませて外に出てみると空は晴れ渡り、北鎌尾根に続く槍ヶ岳が夕陽に映えて美 しく聳え、【写真4】 翌朝登る鷲羽岳と水晶岳は夕陽に照らされて真近く迫って見えました。【写真5】
 この後のコースには水場が無く、水500ccが500円、350cc缶ビールが600円 とのことなので2日分の水2リッター背負って行き、その分ビールを飲むことにしました。
◎ 9月5日(土)晴 05:00朝食、06:00出発、歩程約7時間

日本百名山99座目鷲羽岳の写真
写真6 日本百名山99座目鷲羽岳

 三俣山荘からコースタイム1時間30分の鷲羽岳は、真近く見えるがザレ道で頂上近く では岩場となる急登でハードでした。息をはずませて登り07:10鷲羽岳(2924m) の頂上に立ち、日本百名山99座目を登頂することができました。【写真6】 眼下に青空を映した 鷲羽池が青く光り、その奥には槍ヶ岳が聳えており、北西方向には雲の平や祖父岳が望 むことができ、北アルプスでも随一と言われる眺望をひとしきり楽しんでから水晶岳を 目指しました。

日本百名山全座完登 水晶岳での写真
写真7 日本百名山全座完登
水晶岳にて記念写真(1)

 ワリモ岳を越え岩苔乗越で小休止、09:00水晶小屋に到着、ザックを置いて小屋から往 復1時間20分の水晶岳へと向かいました。なだらかな道から岩稜となる尾根の西側を伊吹 麝香草、岩桔梗、深山小米草、等々の高山植物の花を愛でながら登って行きました。
 09:48水晶岳(2986m)に登頂、遂に日本百名山全座完登を果しました。

日本百名山全座完登 水晶岳にて記念写真写真8 日本百名山全座完登
水晶岳にて記念写真(2)

記念写真【写真7】 【写真8】を撮り、北アルプスの真中での展望を心ゆくまで楽しみ、10:35小屋に戻り昼弁をとって水晶岳に名残を惜しみながら11:10野口五郎岳へと向いました。
東沢乗越と続くヤセ尾根を足元に注意しながら渡り、湯俣温泉に下る竹村新道を右に分 けて真砂岳を左にトラバース、14:10砂で真っ白な広々とした野口五郎岳(2924m) に登頂しました。すぐ近くに見えた野口五郎小屋には14:40に入り、翌日の出発用意を すませてから食堂で日本百名山全座完登の祝杯をあげました。
◎ 9月6日(日)晴 04:30朝食、05:00出発、歩程約6時間30分

ご来光の写真写真9 ご来光、表銀座の向うに

 早い朝食をすませて外に出ると、満天の星空の西方中天に満月が懸り、東の空は茜色に 染まりはじめていました。烏帽子岳を目指して凹状の山稜を抜け、日の出を待ちながら東 側の開けたカールを歩いて行くと、05:20餓鬼岳と東沢岳の奥の地平線から太陽が顔を出 しはじめたので感動の一瞬をカメラに収めました。【写真9】 【写真10】 

朝日に光るチングルマの写真
写真10 朝日に光るチングルマ

白砂の気持の良い稜線を歩き、三ッ岳(2845m)を左(黒部側)に巻いて砂礫地帯 のコマクサの群生地を通り、07:42烏帽子小屋に到着、小休止して空身で烏帽子岳に向い ました。烏帽子岳(2628m)はピークの約30mが烏帽子の形をした岩山で【写真11】、ほぼ垂直の岩壁を鎖に掴まりながら縦這い、横這いして登りました。
 09:30に早い昼弁をとり、

岩山の烏帽子岳の写真写真11 岩山の烏帽子岳

10:00に烏帽子小屋を出発してブナ立尾根を高瀬ダムへと下山、この尾根は北アルプスの三大急登とも呼ばれる長い坂の続くコースとのことですが、急坂だが下りなので問題なく、12:50高瀬ダムに全員無事に下山しました。  今回は4日間とも秋晴れの良い天気に恵まれて快適な素晴らしい縦走を楽しむことがで きました。65才になってから登山をはじめたのですが、

垂直の岩山の前での写真
写真12 垂直な岩山の前にて

10年目に日本百名山全座完登 を果すことが出来ました。これからも健康に気をつけ、怪我をしないように注意し、無理 をしないで登山を続けたいと思っています。