タイトル:Bフレッツからギガ得プランへ

大学 電気工学科 昭和28年卒
玉 川 信 二

 光ファイバー通信の発達に伴いインターネットの普及が急速に進んでいる。 皆さんはこれにどう対処しておられるだろうか。 インターネットを掌るプロバイダー各社は自社のネットに客を集めようとして、最初の二三箇月は無料とするなどサービスに必死である。 また光回線をを持つキャリアー各社も同様なサービスで客集めに鎬を削っている。

 私は初めのうちはプロバイダーを替えるとメールアドレスの変更が生じ、皆さんに迷惑がかかるので多少安いところができてもプロバイダーの変更はしなかった。 ところが昨年秋頃からKDDIが「ギガ得プラン」の売込みを始め、そのいくつかの代理店が毎日のように戸別訪問でセールスに来るようになった。 光キャリヤーの周波数がギガになるので他社のメガよりインターネットの立ち上がりが速い、料金が他社より安いと言う触れ込みである。 しかもKDDIはプロバイダー各社と提携しプロバイダーは替えなくてもよい、従ってメールアドレスは替わらず、電話もIP電話にして番号は変らないという。 料金は従来より千円なにがしか安くなる。 加えて各代理店がうちと契約すればボーナスを出すというセールスを始めた。 ボーナスの額は段々高くなり、3万円の店が出てきて、私も遂に心を決めてKDDIに乗り換えることにした。

 契約をして2週間ほどたってKDDIからゲート機器(モデモとハブ)が送られてきた。 さらに1週間後に光ケーブルの引込み線が私宅まで接がれた。 工事屋さんはLANケーブルの接続は自分でやってくれとのことで、私が機器に付いていた取説に従ってLANケーブルからパソコンまで接いだ。 ただ電話回線はNTTからBフレッツの線を外すまでそのままにしておくようにとのことであった。 従来の電話番号がそのまま使えるように、KDDI電話局からNTT局へ中継するための設定が必要で、これをポータビリテイと呼ぶようである。 新しいギガ得の回線にパソコンを接ぐと何の設定も要らずインターネットの映像を映すことができた。 メールの方は以前リニューアルの時に苦労した設定が必要かと覚悟していたが、これも何の設定も要らず接ぐことができた。 しかし電話回線はポータビリテイのため、NTT側の設定が必要であり暫くは二本立てとなった。 

 数日たってから電話が不通になってしまった。 NTTに通知したところ局でポータビリテイのために何か設定の変更をしたらしく、ゲート機器の電源の断・接をやってくれとのこと、つまりパソコンと同様にソフトの変更をしたので再起動が必要とのことであった。 それで電話は通じるようになった。 ところがさらに数日後、また電話が不通になってしまった。 NTTに通知する前に、前回と同様ゲート機器の再起動をやってみた。 しかし今度は効き目がなかった。 念のためにと思って電話コードをNTTゲート機器(ハブ)からKDDI機器に移してみた。 何のことはない電話はちゃんと接がったではないか。 NTT回線を外す前はKDDI機器に接がない筈であったが。 しかし受信はそのままでよかったが、発信では「発信者番号通知(186)をダイヤルしなさい」とのアナウンスがあり、最初数回はそれで接がった。 しかしそのうちアナウンスだけになり、発信が不能になった。 今度はKDDIにそれを通知したところ、発信者番号通知の設定を局側でやってくれ、その後はトラブルがなくなった。 これは代理店への申込書に発信者番号通知設定の記入が抜けていたらしく、代理店の店員はこのことを全然知らなかったのであった。 

 「Bフレッツ」から「ギガ得プラン」への変更にはこれだけの手間とトラブルがあった。 私は通信技術者であるからその解決は容易であったが、一般の人がこのような手間とトラブルにどう対処するのか、KDDIやその代理店はどう考えているのか、問題である。  このようにKDDIはNTTの光回線の客を次々と奪っている。 NTTはこれにどう対処するのか、他人事ながら気になる。 NTTの工事屋さんが機器を外しに来た時に機器だけ持ち帰り引込み線はそのままにしていった。 曰く「また使う時もあるでしょう」、NTTは「ギガ得」に対抗して新システムを始めるのか。

以上

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