タイトル:パソコンシステムとの格闘
――――年賀状の出来るまで――――

学電28  玉川 信二

昨年暮れから元日までにかけて年賀状をパソコンで印刷した。 私の分と家内の分を合わせて約200枚、その間の私の悪戦苦闘ぶりを紹介して皆様の参考にしたい。 この時パソコン本体はXP・Vista・No.7の3台を使用したのでこれらお互いの比較も報告する。

私は昨年秋までWindows XP本体を約8年間使っていたが、かなり草臥れて来て機械部分が故障していたので思い切って新品に買い替えた。 新しいものは海外ブランドで世界最多の売り上げを誇っているメーカーのもの、最新型のWindows No.7、デスクトップ型、デイスプレイは以前のものがそのまま使えるので新しくしなかった。 これとは別に数年前に家内が購入したノート型のvistaがあり、結局3台のパソコン本体を使って年賀状を作成しこれらの使い勝手の良さを比較したことになる。 Vistaは日本で最初にMs-Dossによりパソコンを発売したがWindowsが出てからはいま一つのメーカーのものである。
 最新型のNo.7は機能操作の筋書きがXPとVistaの両方を取り入れたOSの構成で、XPに慣れた者にはNo.7は覚えるのに多少手間がかかる。 XPで便利に使っていた機能でNo.7にないものもある。 たとえば「マイコンピュータ」から出てくる「ローカルデイスクD」が無く、また作ったファイルの処理のためのコピー・印刷・削除の項目があっても移動と名前の変更がない。 別にデイスクへの書き込みで、CDやDVDを挿入して記録する時「書き込む」をクリックすると「USBフラッシュドライブと同じように使用する」と「CD/DVDプレーヤーで使用する」の2方法を選択するようなメッセージが出てくるので注意しなければならない。 前者を選択すればそのデイスクに後から書き込みができるが、後者を選択すると追加・書き込みができなくなってしまい、いくらギガバイトの容量のデイスクでもほんの少しの容量の記録で終わってしまう。 マニュアルには後の方法の説明しか記載されていない。 Photoshopのような後からインストールするプログラムで最初XPにインストールしたがNo.7には出来ないものもある。 No.7はXPより数段内蔵メモリーが大きいので立ち上がりはいくらか速い、特に良いと感じられたのはCDやDVDの再生の時待ち時間が短いことである。
 パソコン本体を取り替えてもこのように使いにくいところもあるので、前のXPを捨てるわけに行かずその後はNo.7とXPとを並べて置き一台のデイスプレイを切り替えて両方で使うようにしてある。

年賀状の作成に当たって宛名印刷は、マニュアルによればExcelで名簿を作っておけばはがきへの印刷が簡単にできるように記されているが、No.7でもXPでも簡単にはできなかったので、一枚一枚宛名を手で入力し印刷した。 宛名印刷のソフトはWordの「はがき印刷」を利用した。 住所は郵便番号を「変換」すれば区名または町名まで出てくることを初めて知った。 しかしこれも郵便番号は半角英数で、変換モードは「人名/地名」に直さなければならず、はがき一枚ごとにこれを行わなければならないのはかなり面倒である。 またこの郵便番号―住所の変換プログラムはWordの中に入っているらしくVersionが古いと変更前のものが出てくる。 町村合併や市への編入で変わったところには通用しない。
 やっと宛名面と住所のデータが出来上がって印刷にかかった。 プリンタは我が国の2大メーカーの一つの製品で5年ほど使っていた。 200枚の印刷にはインクが大量に必要で何回も買い足した。 印刷が半分ほど出来たところでプリンタが突然動かなくなってしまった。 いろいろ調べたが解らないのでメーカーに電話で問い合わせた。 すると「インク廃液パッドがいっぱいになっているので交換が必要だが、その型は古いので交換部品がない、修理ができない」との回答であった。 プリンタやパソコンの使用可能期間は5年と聞いていたがその通りになってしまった。
 前述のVistaを買ったときにプリンタもいっしょに揃えておいたので印刷はそちらに切り替えた。 メーカーは前のものと同じであるがスキャナー・コピーマシン付きの最新型である。 このプリンタを使って数枚印刷したところ、今度はなんとはがきの紙送りができなくなってしまった。 紙送り不能ははがきだけで、A4用紙には可能である。 この不良の手当てはまだ処置していない。
 年賀状を半分しか出さないわけにはいかないから、慌ててプリンタを買いに行き、今度は従来機メーカーのライバルのものを購入した。 以前のメーカーのものは画像印刷の色が綺麗で写真印刷向き、今度のメーカーのものは文字用の黒インクが別についており文書印刷向きとは販売店の店員の説明であった。新しい製品は組み立てに時間がかかり操作も多少面倒であったが、CDソフトをパソコンに入れて年賀状印刷を続けた。
 家内の年賀状は原稿をVistaで作ってあったのでVistaから新しいプリンタに入れて印刷していたところ、今度はそのパソコンが動かなくなってしまった。 1時間ほど連続使用し、一休みするためブレークダウンし、再び立ち上げようとしたら画像が出なくなってしまった。 サービスマニュアルを調べてみたら「パソコン本体に電荷が帯電した状態には、電源コードとバッテリーを外ししばらく放置した後、再び接続し電源をいれる」とあった。 しかし自分でこれを数回繰り返したが、電源は入らなかった。 メーカーに電話で問い合わせたところ録音メッセージで数回のやり取りの後、「本体の故障であり持ち込み修理が必要」との回答であった。 やむを得ず別のパソコンで別の原稿を使ってとにかく全部の印刷を終わらせた。
 その後現品を販売店に持ち込み見てもらったら、電池は外付けのものを外すだけでなく本体の裏蓋を外し内蔵の電池も取り外して電源コードを繋いだ。 今度は電源が入り画像が現れた。 サービスマニュアルには裏蓋を外して内蔵電池も外すとの記載はなかったので、本体内にも電池が入っているとは気がつかなかった。 デスクトップ型パソコンでも時々電源が入らなくなるが電源コードを抜き差しすると直る。 これも本体の帯電で、デスクトップ型には内蔵電池が無いのでコードの抜き差しだけですぐ回復するようである。 携帯型のノートパソコンの使用にはこのような注意が必要である。

終わってみると年賀状200枚の作成に、かかった日数は約半月、プリンタの買い替え、パソコンの修理、インク代と思いがけない出費を要した。 これらのトラブル解決は老人ぼけ防止には十分役立ったと思うが、この間のいらいらのために今まで続けていた節煙がもとに戻ってしまった。
 皆さんから頂いた年賀状は大半がパソコンで作成したようであるが、このようなトラブルはなかったか、どう解決したか、私の経験が皆さんのお役に立てば幸いである。 また私の思い違いもあると思うのでご教示頂ければありがたい。

以上

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