タイトル画像:第9回山遊会行事 草紅葉の尾瀬が原散策と燧ヶ岳登山の報告

42学機 小森廣樹

 一泊二日の日程で、その二日間が日本晴れの最上の天気にめぐまれた。また、気温も最適で申し分なく快適な山歩きをし、無事に元気に帰ってくることができた。
実施した概要は次の通りである。

   日程:平成17年9月17日(土)〜18日(日)

コース:

9月17日(土) 高速バスで尾瀬戸倉へ、新宿駅新南口 09:00発
尾瀬戸倉(タクシー)――鳩待峠・・・山の鼻・・・三叉路・・・竜宮・・・見晴(泊 弥四郎小屋)

9月18日(日) 燧ヶ岳 登山組(10名)
見晴(早朝出発)・・・柴安ー2,356m・・・俎ー2,346m・・・ナデッ窪分岐・・・浅湖湿原・・・長蔵小屋・・・尾瀬沼山荘・・・三平峠・・・一ノ瀬休憩所・・・大清水――(高速バス)――20:00新宿駅新南口
尾瀬沼トレッキング組(3名)
見晴・・・尾瀬沼分岐・・・沼尻・・・浅湖湿原・・・長蔵小屋 燧ヶ岳登山組と合流

メンバー :

登山組:田崎耕八(計画・リーダー)(32電)、矢野陸男(32原)、小宅仁(会長・責任者)(36電)、白井俊之(36電)、前田 勉(37機)、菅谷禎男(42機)、林昭彦(特別会員)、佐竹ふみ子、小出好美、菅谷隆人(特別参加3名) 
トレッキング組:兼子八郎(38電)、小林 渡(38電)、小森廣樹(42機)
合計 13名

出発前の準備体操の写真 出発を前にして全員集合の写真 尾瀬ヶ原湿原に向かって歩いている写真
出発前の準備体操 出発を前にして全員集合 尾瀬ヶ原湿原へ

 尾瀬湿原のこの時期は紅葉には少し早すぎたが、湿地帯に一面に生える草の紅葉がけっこう進んでいて、 全面ではなく、一部斑らになっている。が、これがかえって印象派のカンバスを見るようで見事な景観であった。 その上、快晴の青空を湿原の大小の沼が鏡となって映し出しているところがまた気分を爽快にしてくれる。

  まだはじまりしばかりなり
   エゾリンドウ咲く寂々として (にゃんこ )
尾瀬ヶ原そよふく風よしばし凪げ
    水面に映る山を撮るまで   (同)

山の鼻にて一服後の全員集合写真 湿原の木道を見晴へ向かって歩いている写真 水面に映える明朝登る燧ヶ岳の写真
山の鼻にて一服 木道を見晴へ向かって歩く 水面に映える燧ヶ岳

 多くのメンバーが、前回の7月に雲取山を制覇していることから、みな健脚である。 湿原の木道を快適な足取りで進んでいった。
 泊まるところは弥四郎小屋という山小屋で、意外にも風呂があるという。まずひと風呂。8人同時に入れるくらいの立派な風呂で、 みな大喜び。この後の山小屋で飲むビール、これが待っている。この一杯のために山へ登ると言わんばかりのメンバーばかり。

 夕食時の歓談での飲み物だが、これが特筆に価する。メンバーの中の紅一点、佐竹さんだが、彼女はベテランであり、 背負っているリュックが一番大きく重そうで、私などの2倍くらいありそうな荷だ。それを担いで登ってきているので皆んなから注目されていた。 途中で強力に何度も行き合ったが、彼女はまさに女強力だ。といっても心優しく、明るい女性だ。夕食後、佐竹さんは自分のリュックから2本 の箱入りの酒を出した。4合入りの銘酒久保田、それがなんと「万寿」である。メンバー全員が目を見張り、そして感動した。この夜のために 重いリュックを黙してここまで背負って来たのである。女神のようだ。この2本の万寿は小宅会長とともに前日用意したとのこと。 歓談がいっそう弾んだ。

 それともう一つ、詩「みみずの暗明暗」である。 これはメンバーの兼子(にゃんこ)さんの作で、往きのバスの中でみんなに読んでもらっており、このほか短歌も5首披露されていた。 この「みみずの暗明暗」がこの夜の歓談で話題になった。なぜみみずなのか、みみずになったつもりなのか、等々いろんな質問も出て、 みみずが酒の肴になってしまった。
(なお、兼子さんは長年詠んだ短歌を今後まとめて一冊の本にしたいとのこと。それが出来上がったらメンバーに披露していただきたいですね)
 二日目の未明、中秋の名月を見ることができた。尾瀬で木々のシルエットの間から見える満月。本当に幸運であった。

   松が枝に懸かれる月を撮さむと
    窓を開ければ冷気ただよふ 
(にゃんこ)
弥四郎小屋へようやく到着したところの写真(夕陽に陰が延びている) 弥四郎小屋前で全員の集合写真 朝4時ヘッドランプを灯し出発前の写真
ようやく弥四郎小屋へ到着 全員がそろったところで 朝4時ヘッドランプを灯し出発

 今回の尾瀬行は燧ケ岳登山が主たる目的である(と思う)。13名中10名が早朝4時に出発して燧ケ岳に登った。

  登山組はヘッドランプを灯し発つ
    秋気みちたる尾瀬の朝四時 
(にゃんこ)

 私を含めた残り3名は、登山組よりも3時間ゆっくりして山小屋を後にし、段小屋坂を登り白砂峠を経て合流地点に向かった。 写真好きの小林さんは構図の良さそうな所を探してはパチリパチリやっていた。〔小林さんの撮した写真が投稿のページにあります。〕
 燧ケ岳は下から見上げると頂上が三つあり青空をバックに形のいい姿が実に見事であった。急な山であり、三つの頂を踏破するのはかなりハードである(と想像される)。しかし、頂上からの遥か下界の眺めはすばらしい(ことは容易に想像できる)。 
燧ヶ岳登山については下記菅谷さん報告をご覧下さい。

弥四郎小屋からの尾瀬の月の写真 尾瀬沼沼尻休憩所近辺でのとれキング組の写真(その1) 尾瀬沼沼尻休憩所近辺でのトレッキング組の写真(その2)
弥四郎小屋からの尾瀬の月 尾瀬沼沼尻休憩所近辺(1) 尾瀬沼沼尻休憩所近辺(2)

燧ヶ岳登山報告
42学機 菅谷禎男

昨日の思いがけないお風呂、缶ビール(500ml 600円、350ml 450円)とハンバーグの夕食、その後の大宴会(萬寿720ml 2本、酒1.5升、泡盛500ml)のおかげでぐっすりと熟睡し、3時半の起床前に目覚めている人も多かった様子でした。

 3時半の携帯音で「おはようございます。」尾瀬沼トレッキング組(兼子さん、小林さん、小森さん)が布団の片づけをしてくれるとのことで、感謝しつつ昨夜のうちに山小屋が用意したおにぎりの昼食も忘れずに弥四郎小屋の玄関前に集合、夜中煌々と輝いていた14日の月も隠れ、オリオン座が天空に輝いていました。ストレッチをして、4:05出発、ヘッドランプや懐中電灯を頼りに木道を進むとすぐに、柴安ー3.5時間の標識、さらに進むと柴安ー3.5Kmの標識、ここからは木道がなくなりいわゆる山道でだんだんときつくなってききました。

 4:45柴安ー2.3Kmの標識で小休止、体が熱くなったため服を脱ぎ、身支度を整える。5:15立ち止まっての小休止、田崎リーダーに合わせ深呼吸、木立の間に見え隠れしていたオリオンも見えなくなり、空が白んでくる。どんどん坂がきつくなり、5:35小休止、甘味をとって5:45出発、6:15柴安ー1.3Kmの標識、どんどんきつくなって、小休止をしたいとの声も出たが、リーダーが後5分ほどで樹林帯を抜け出るだろう、と皆を引っ張ってとうとう6:50、見晴らしのよいところに出た。

 至仏山を望み、眼下には尾瀬ヶ原、出発した弥四郎小屋が見え気持ちがよい。あまり空腹を感じなく、水をたっぷりと昨日買ったおにぎり1個をたべる。弥四郎小屋を4:30出発したという若いハイカー1人が抜いていった。今日あった最初の人だ。7:20出発、7:50頂上、柴安ー2356m、先ほどのハイカーと写真を撮りあったり、ゆっくり休んだりして8:15出発、8:30次のピーク(爼ー)の三角点、ここでもゆっくりと休憩し苦しかった登山の余韻を楽しみました。

燧ヶ岳中腹より眺める尾瀬ヶ原湿原の写真 燧ヶ岳(シバヤスグラ:2356m)頂上での集合写真 燧ヶ岳(マナイタグラ:2346m)頂上での全員の写真
中腹より眺める尾瀬ヶ原湿原 柴安ー(2356m)頂上 爼ー(2346m)頂上

 私たちが来た(見晴新道)も降りる道(長英新道)からも、どんどんハイカーが頂上を目指して登ってくる。8:50出発、9:25見晴らしのよいちょっとした台地(ミノブチ岳)、小休止後9:35出発、下りとはいえ荒れた山道、こちらから登ったら更に大変だろうとすれ違うハイカーを思いながらどんどんと下る。10:30小休止、行けども行けども着かない長英新道を下って、浅湖湿原にでる。11:55予定より少々遅れて尾瀬沼ビジターセンター到着、尾瀬沼トレッキング組と合流ができ、山小屋のおにぎり弁当を食べました。12:30出発、12:55には三平峠の登りに入り、燧ヶ岳、尾瀬沼さようなら。

 今回の計画をされたリーダーの田崎さんと責任者である小宅会長の心遣い、そし てメンバーの協同のお蔭でスムースに楽しく山登りが出来たことに感謝いたします。

(42学機 小森廣樹、菅谷禎男)

参照:燧ヶ岳登山高度記録はここをクリックして下さい。
燧ヶ岳より眺める尾瀬沼の写真 台地(ミノブチ岳)にて一服後の集合写真 尾瀬沼長蔵小屋にて出発前の集合写真
頂上より眺める尾瀬沼 台地(ミノブチ岳)にて一服 尾瀬沼出発を前にして

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