【投稿】
富士登山紀行文
2009年8月4日(火)〜5日(水)

文責:白石道彦(38学化)
登山日程:2009年8月4日(火)〜5日(水)
パーティー名:毎日新聞旅行「M88富士登山1泊2日」
【序文】
  4年間の学生時代に北アルプスなど、数多くの山登りをした私にとって、日本一の富士登山は未経験で、一生に一度は挑戦したい"永年の夢"であった。昨年9月に古希を迎えた時、「来夏こそはそれを実現しよう」と決心。そうは云っても、"単独行"にはちょっと不安があったので、東京支部の親友、兼子八郎氏(38年電気)に声を掛けたところ、二つ返事で賛同してくれた。その後、その実現方法について兼子氏から、毎日新聞旅行社企画の「富士登山ツアー」への参加が提案され、今回、目標を達成することが出来た。
 総合的に見て、天気予報が良い方向に外れ、2日間共概ね好天に恵まれ、ご来光もバッチリ。お鉢周りも実現、体力的にも何とか耐えられて、初めての富士登山としては"大成功"であったと云える。ザック総重量10.5kg。持参した水1L。スポーツドリンク500ml。"杖"と"スパッツ"と"軍手"が大変役立った。

【登山記録】
[第1日目:8月4日(火)]
8:30新宿駅集合。15人位が既に集合済み。曇天。今にも降り出しそう。予報では、これから明日にかけて雨。バスはWorld社。東京駅から乗車の兼子さんと合流。座席は最前列。
8:45新宿発。総勢32名(中高年多く、男女比約3:2)。添乗員2名、桜井氏と梶原氏(中年男性)。 中央高速に乗る。9:45談合坂SAでトイレ休憩10分間。相変わらず曇天、時々薄日射す。
10:30〜1045「富士浅間神社」にお参り、登山の安全祈願。太陽覗く。"富士スバルライン"に乗り、高度が上がるに従ってガスが深まる。兼子氏と「霧」と「靄(モヤ)」と「霞(カスミ)」の違いを電子辞書で確認。五合目が近付くに従って、登りのマイカーは大渋滞。大型バスは優先なるもかなり混雑。
11:35(河口湖口)五合目(2,305m)着。「五合館」で自前の昼食後12:30集合。ガイド三枝氏。小雨模様。
12:35五合目出発。ガスの中、ほぼ水平方向に30分。小休止後ゆるい登り始まる。湿度高く汗をかく。13:25六合目「安全指導センター(2,390m)」小休止後13:45発。ガレ場の登り続く。相変わらず小雨模様。途中で雨具着用。14:35小休止、10分間。雨足やや強まる。全員雨具着用。登山道は整備されていて歩き易い。濃霧に変わる。15:05七合目「花小屋(2,700m)」。大混雑。待つことしばし。15:20出発。鎖付きの急坂を一列で登る。太陽が出て見晴らし良好。河口湖、山中湖、御殿場、箱根方面も見ゆ。
15:35「七合目トモエ館」でトイレ休憩後15:45出発。鎖付きの急な登り坂続く。16:45"本七合目"。晴れが続く。美しい雲海の合間に下界が見ゆ。小田原も。登山の速度やや早まる。17:00小休止。次第に風寒し。17:45八合目(3,020m)、小休止5分。穏やかな好天続く(気象庁の天候予報は完全に"良い方向"にハズレた!)急坂を登る。雲海が益々美しい!
18:15八合目「白雲荘(3,200m)」着。部屋の割り当て後18:30夕食。カレーライス。明日の朝食用弁当も受け取る。外は未だ明るい。夕焼けが見事!トイレは宿泊客は無料、それ以外は100円。他の小屋も同じ条件。割り当てられた部屋は、安全柵も無く、天井が低くて座ることも困難、2人がやっと潜り込める程度の不自由な"空間"であった。寝具は寝袋。遅くまで階下の中学生団体の騒ぎ声が響き、付き添いの親にも「活!」。熟睡ならず、悶々としたまま夜中の起床時間を迎えた。
〔第2日目:8月5日(水)〕
0:30(真夜中)起床。晴れて星空。
「白雲荘」出発1:05。ヤッケ(雨具の上着)着用。ヘッドランプを頼りに急勾配の登り続く。1:35本八合目「富士山ホテル(3,360m)」通過。相変わらず登山者で混雑。途中小休止後、1:55「トモエ館(3,400m)」通過。風出始める。ガレ場の急坂続く。2:35八号五勺「御来光館(3,456m)」通過。風おさまり寒からず。振り返れば、ヘッドランプの長蛇の列。富士吉田の夜景が輝く。九合目通過。3:45東の空が僅かに白み始める。
4:20「頂上久須志浅間神社(3,776m)」到達!やったー! 永年の夢"富士登山"を達成す。気温は5-6℃位か。カメラを持つ手が冷たいものの、寒からず。登山者多し。神社で御守りを求む。
4:50御来光を拝す!拍手沸き起こる。一斉にカメラのフラッシュも。新たに"生きている証"を実感! ガイドさん曰く、『今年最高の御来光』と。頂上には山小屋(土産屋)が3軒。「東京屋」に集合。
5:05「お鉢巡り」に出発。19名。好天続く。時計回り。お鉢の中に万年雪を見る。浅間大社奥宮を過ぎると、南アルプス、八ヶ岳、中央アルプスの山々がパノラマで展開。学生時代に登った山ばかりで懐かしい!「剣が峰」で日本最高地点の三角点(3775.6m)を確認。
6:30久須志神社に戻る
6:35下山開始。下山専用道(通称「ブルドーザー道」)は急なガレ場が続き、足が取られ易い。八合目「江戸屋」の前で「須走口下山道」と別れる。相変わらずガレ場が続き、堪えるのがかなりきつい!足が笑い出した。何度か足を取られて尻餅も。昔はそんなことなかったなー!小休止数回。ツアーメンバーの一人(一番張り切っていた中年の女性)が滑って転んで右腕骨折。七合目以下はやや勾配が緩くなるも、それまでの疲れが出て、依然として歩くのがキツイ。他の登山客も同様らしい。 登頂用防寒衣(下着類)が鬱陶しい。途中"落石防止トンネル"2箇所。次第にガスが出始める。
9:15六合目「安全指導センター(2,390m)」通過。間もなく馬による五合目迄の送迎あり(12,000円!)
9:45(河口湖口)五合目着。下山遅れる人数人。ガイドの三枝さんに別れを告げる。
10:20バスで五合目発。富士スバルライン経由。霊峰は雲の中。これから頂上は雨との予想。
11:05河口湖着。湖畔の「サンきよすみ」(お土産&休憩所)で風呂と昼食。兼子氏とビールで乾杯!
13:00河口湖発。途中「石川SA」でトイレ休憩10分間。
14:45新宿着。旅行社から「富士山登山」の証明書を受領。兼子さんのご支援に感謝し、現地解散す。
【反省と今後の方針】
  1. 事前の"筋トレ"が不十分で、下山時に滑って転ぶこと数度。1ヵ月位の"事前強化筋トレ"が必要。
  2. 旅行社のツアー参加による行動の制限が登山及び下山時の自己のペースと合い難し。今回の団体登山で、登山条件等は把握出来たので、次回は個人か小グループでの登山がベターと考える。
  3. 山小屋での"仮眠"は眠りづらく、"仮眠なし"の日帰りコース等も検討の余地あり。
  4. 「喉元過ぎれば・・」ではないが、富士登山は再度挑戦し、日本の頂上からの展望をゆっくりと楽しんでみたい、と思う。そう云う魅力がある。来年以降も毎年1回は続け、自分の体調管理のバロメーターにもしていきたい、と願っている。
  5. 富士山が「世界自然遺産」に登録されないのは、その環境から見て已む無し。「文化的景観」の観点から世界遺産(文化遺産)登録を目指す活動がある由。それには賛同し、支援していきたい。
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長蛇の列で登る登山者の写真 7合目を鎖で登る登山者の写真 眼下に見える河口湖方面の写真
長蛇の登山者 7合目鎖に頼る 河口湖方面視界良し
ご来光の写真 お鉢巡りをしている写真 残雪の写真
ご来光を仰ぐ お鉢巡り お鉢に残雪多し